2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

静かな日曜日

昨日に続いて、雨、雨、雨。家人が出かけたので、一人でぼんやり過ごす。寝っ転がって本を開いて、数行読んでは眠って、顔を洗って出直すが、また眠りに落ちる。その繰り返しで、滑稽この上なし。とか書いていたら、雨が上がったようだ。ぼちぼち風呂に入っ…

本というものの不思議

本というものは、不思議な商品である。本屋で立ち読みできるのも不思議だし、図書館へ行けばタダで読めるのも不思議だ。ゆえに、商品であって商品でない、とも言われる。 商品であって商品でない。こういうものを商うことの面白さ。これこそが、編集者の仕事…

ブックオフが嫌いな理由

フリーになる以前に私が勤めていた出版社は、年に一度、A5判のPR誌を刊行していた。していた、と書いたが、現在も続いており、大型書店に行くと、最新号がレジ横などに置かれている。 さて、この雑誌の巻末には、かつては、編集長である社主と、数名の編集者…

繊細さと鈍感さ

以下は、寺山修司の「懐かしのわが家」という詩である。 懐かしのわが家 昭和十年十二月十日に ぼくは不完全な死体として生まれ 何十年かゝって 完全な死体となるのである そのときが来たら ぼくは思いあたるだろう 青森県浦町字橋本の 小さな陽あたりのいゝ…

紫陽花が光に映えて

師よ、詩人なる師よ、

友人に教えてもらった『ハリール・ジブラーンの詩』より、「『イエス』について」の一節。 第五篇 師よ、詩人なる師よ、 歌われ、語られたことばの師よ、 彼らは寺院を建ててみ名を住まわせようとし、 どの高みにもあなたの十字架をかかげました、 彼らの気…

きりきりと音のするまで

一昨日に引き続き、詩を紹介してみる。『石原吉郎詩文集』より、「待つ」という詩。 待つ 憎むとは 待つことだ きりきりと音のするまで 待ちつくすことだ いちにちの霧と いちにちの雨ののち おれはわらい出す たおれる壁のように 億千のなかの ひとつの車輪…

ファーブルさんはいった。

たまには、日本人の詩も紹介してみよう。『長田弘詩集』より、「ファーブルさん」の一節。 III どんな王宮だって、とファーブルさんはいった。 優美さにおいて精妙さにおいて、一匹の カタツムリの殻に、建築として到底およばない。 この世のほんとうの巨匠…

読書中

体調は快復したものの、いまいち気分が冴えない。仕事も遅滞しまくってるんだが、なかなかはかどらない。参ったな。 ところで、数日前に『残酷人生論』を読了しました。いろいろ思うことはあったけど、あわてて書くのはよそうと思います。 でもって、昨日よ…

「発見の手帳」の極意

昨今、インターネットで得られる情報も膨大だが、たとえばジュンク堂のような大型書店に出向くと、本棚に並べられた新刊書・既刊書の量に、ひたすら圧倒されてしまう。 そこに愉悦を感じられる日は幸いである。こういう時代に生まれたことに感謝できる。 け…

うじうじを脱ぎ捨てる

春先からの疲れが出たのか、久々に顔面にヘルペスが出たため、ここ数日休養をとっている。それで、今日は少し元気が復活したので、本棚を整理し何冊かの本を処分した。 あわせて読書の方針と計画を更新し、すっきりした机の上で、半月ほど前に友人が貸してく…