2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『先生とわたし』を読む

一昨日、遅ればせながら、四方田犬彦の『先生とわたし』を読了した。どんな本か。カバーに巻かれた帯にはこう書かれている。「幸福だった師弟関係は、なぜ悲劇に終わったのか?──伝説の知性・由良君美との出会いから別れまでを十数年の時を経て、思索、検証…

作家によるお話会のお知らせ

先日ご紹介させていただいた絵本『おしゃれなのんのんさん』(風木一人 作/にしむらあつこ 絵)の原画展の関連イベントとして、作家自身による読み聞かせの会が開催されるようです。 日 時:2008年6月7日(土) 午後3時半〜午後4時 場 所:ジュンク堂書店 …

Yahoo! 動画のご案内

いつも読ませていただいている「ウラゲツ☆ブログ」の記事で知ったのですが(参照)、先日、このブログでも紹介したデレク・ジャーマンの映画『ヴィトゲンシュタイン』が、Yahoo! 動画にて、2008年8月31日まで、無料で視聴できるようです(参照)。 ところで…

反省は思い出を傷つける

大塚信一という人の書いた『山口昌男の手紙』という本は、奇妙な書物である。たとえば、高山宏の書評(参照)や宇波彰のブログの記事(参照)を読んでみると、それぞれが、この本について、とても困惑していることが伝わってくる。山口昌男の手紙 文化人類学…

どうしようもないやつ?

先日の記事でも紹介したように、永井均の『子どものための哲学対話』には、「ペネトレ」という得体の知れない猫が登場する。 中学2年生の「ぼく」によれば、「ペネトレが、「おなかがへったよ」とか「ねむいなあ」なんて言うのは、いちども聞いたことがない…

臨済宗の和尚さんの歌

久しぶりに、このだみ声が聴きたくなった。 http://youtube.com/watch?v=Ki9xcDs9jRk Leonard Cohen - Dance Me to the End Of Love Dance me to your beauty with a burning violin Dance me through the panic 'til I'm gathered safely in Lift me like a…

絵本原画展のお知らせ

先日ご紹介させていただいた絵本『おしゃれなのんのんさん』の原画展が、5月18日(日)〜6月7日(土)に、ジュンク堂書店池袋本店8Fの児童書コーナーにて、開催されるそうです。 ちなみに、作者のサイトによると(参照)、原画はモノクロなんだそうで、…

近未来写真術

一人の男の出現によって、季節がはっきりと区切られてゆくのを、秘かに心の中に感じていた。私が20歳、彼は27歳。冬の終わりの頃だった──後に『愛情生活』というエッセイ集におさめられることになる、荒木陽子の文章が、加賀美幸子アナウンサーのしっとりと…

子どものための哲学対話

このブログの記事を書いていて、なぜ自分はこんなにも誰かの文章や意見の引用だの孫引きだのをせっせとくりかえしているのかと、思い至ることがある それはなぜか。ここで、たとえばラカンの「主人のシニフィアン」が云々、などということをつい書き出しそう…

若葉の目にしみる候

山口昌男の手紙

読了してから少し時間がたち、ほとぼりが冷めてきたので、とりあえず、読んだということだけ、記録しておくことにする。 この本を買ったきっかけは、半月ほど前に遭遇した出来事を、自分なりに、きちんと理解しようと思ったことにある。ただ、これ以上は、こ…

それが彼の悲しみのもとだ

職業柄、ふだんから一定量の原稿や論文を読まねばならず、さらに、その時々の必要であれこれと本を買い漁り、綱渡りのごとくそれらを読み繋ぐ、そんな落ち着きのない読書生活を続けて、かれこれ十年以上になる。 そんなわけで、永井均の『ウィトゲンシュタイ…

哲学するペンギン

さしたる理由はないが、このブログで、ペットを飼ってみることにした。BlogPetというやつである。なんとなく、ペンギンを選択し、「よね」と命名した。 カーソルを合わせてクリックすると、飼い主に似て、いかにも愚直な言葉を発してくれます。みなさま、ど…

さようなら、GW(* ̄∇ ̄)ノ

真の友人とは?

永井均は、『〈子ども〉のための哲学』の中で、哲学を「自分に都合よくかすめ取って、(それぞれの意味で)よく生きるための智恵として利用」することと、哲学をすることとは違う、ということを指摘する。その一方で、「それを不当とする理由はない。哲学は…